歯周病治療と義歯 義歯
入れ歯 (義歯) でお困りの方へ
インプラントが普及した今日でも、残存する顎堤の状態や内科的な問題および諸条件の制限により入れ歯を選択することが困難な症例も少なくありません。
しかし、咬み合わせや入れ歯の外形に大きな問題のある症例では入れ歯でゴハンが食べにくいとか、歯肉が痛い、入れ歯がよくはずれる、舌やほっぺたをよく噛んでしまうなど、入れ歯に関するお悩みをお持ちの方は少なくないようです。

このような症例では治療用の入れ歯を使い、かみ合わせに関係する頬や舌の筋肉や粘膜のトレーニングの期間が必要となります。
この治療用の入れ歯の内面はティッシュコンディショナーと呼ばれる柔らかい粘膜調材料となっていて、傷ついた粘膜や歯肉を保護しながら咬み合わせの機能のリハビリを行います。
このトレーニングの期間に義歯床縁形態(入れ歯の外形)を調整し、この情報を最終的な入れ歯の製作を行います。

Case:上顎総義歯、下顎部分床義歯

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患者は67歳の女性。主訴は上顎前歯がぐらつき、痛くて咬めないとことであった。患者の装着している義歯は人工歯の磨耗により臼歯部の咬合高径が低下していた。上顎前歯には強い咬合力が加わり全ての歯に歯根破折を認め、歯槽骨の吸収が進行し動揺が大きいため保存は不可能と判断し抜歯し、即時義歯を装着した。抜歯部位が治癒する間、粘膜を保護し機能回復と安定した咬合を回復させ、また辺縁封鎖による吸着を得る為に義歯内面をティッシュコンディショナーで裏うちした。

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即時義歯装着後、ティッシュコンディショナーにより粘膜の安静化を図ると同時に義歯床縁形態の修正や粘膜面の加圧部分を削合しその部分にティッシュコンディショナーを盛り足す操作を繰り返した。

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咬合平面を是正した上顎即時義歯の装着と同時に下顎にはプロビジョナルレストレーション(仮歯)と治療用義歯を装着した。

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抜歯後3カ月で即時義歯から、患者の顔貌や装着感に対する要望を加味し、人工歯排列と義歯床縁形態の付与をした治療用義歯へと移行した。

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治療用義歯で得られた情報を反映した最終義歯の製作を開始、義歯の製作にあたり顎運動の記録を咬合器に移し咬合器上で咬合調整を行う必要がある。

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最終上下義歯装着後の正面観
治療用義歯にて得られた情報を反映した最終義歯は、機能的に充実したものとなり、結果として審美的要望に応えたものとなり、遠来の患者の満足を得ることが出来た。

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最終上下義歯装着後の左右側方面観
初診時にはイレギュラーであった咬合平面は是正されている。

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下顎には、部分床義歯の維持と安定を得るためマウスプレパレーション(入れ歯のばねがジョイントする形態を付与すること)を行ったクラウン&ブリッジを装着した。

この症例では患者が九州からの通院という事情もあり、下顎には欠損部にインプラント治療の提示もしたが、患者の在住している地区にはインプラント補綴のメインテナンスを引き継ぐ歯科医師を見つけることが出来ず、患者の今後の加齢を考慮して義歯での対応とした。